今年もあと僅かとなりましたが、皆様大掃除は捗っていらっしゃいますでしょうか?
一年の過ぎる早さに年々驚いていますが、人生も似たようなものかもしれませんね。
そう思えば今の瞬間瞬間をより濃くして精一杯生きたいものです。
始まりがあれば当然終わりがあるもので。
生きるもの全てこの理に逆らうことができません。
その終着点が『死』であり、送る儀式が『お葬式』なのです。
私たちの仕事はその最後の終焉をご家族とともに送り出すことです。
先日うちで施行されたお客様の話なのですが、改めて感慨深く考えされられることがありました。
その方はご主人を亡くされて当社にお葬儀のご依頼をしてくださいました。
ご夫婦には子供さんはいらっしゃらなくて遺族にあたる方は、奥様以外はご兄弟のみという感じでした。
当社のスタッフがご自宅にお迎えにいって、ご親族がご到着されるあいだ喪主の奥様は控室にお一人だったのですが、落ち着かなかったようで廊下を何度もパタパタとされていました。
通夜式までまだお時間がありましたし、大体のお客様がみなさんじっとできないのもよくあることなので、しばしほっとしてもらえたらとお茶をすすめてみました。
その時私が言ったことは、
「奥さま、お客様が来られるまでまだお時間がございますのでお茶でも飲まれませんか?緊張もあると思いますが大丈夫ですから。私たちもそばにおりますから何でもいってください。」
と。
ただ言ったのはそれだけだったんですが、私が言ったとたんその方がワッと急に泣かれてしまったんです。
そして私も驚いて「だ、大丈夫ですか?!」と言ってしまったんです。(汗)
(まだまだ未熟です。)
するとその方が「あなた優しいのね」とぽろぽろと泣かれて。
この時改めて(我慢して泣くのを堪えていたんだな)と知りました。
葬儀をされる方はみな大事な方を亡くされて、悲しみいっぱいで来られてるとわかってはいましたが、それは概念だけで考えていたなと反省しました。
その奥様も斎場に到着されたときは「お世話になります」と気丈にされてて、はじめは(しっかりされてる方だな)と見てましたが、本当は不安と悲しみでいっぱいだったんだと知ると、ほんとに自分は配慮が足らなかったと申し訳なくなりました。
そのお客様のお蔭で私は知ることができたのです。
それを機に私の中で、お客様をお迎えする姿勢が少しは変わったんじゃないかと思います。
遺族と一緒に故人を悼み尊い、出棺の最後まで寄り添えて支えるのが葬儀社スタッフの見せどころだと思います。
「見せどころ」なんて、もしかしたら言葉は悪いかもしれませんが、遺族より目立たずあくまでも黒子に徹して安心してお別れをサポートできたら、それが最高のお手伝いなんじゃないのかなと思います。
勉強することもたくさんあります。経験を積むこともすぐにはできません。
でも一個ずつ丁寧にしていけばきっと理想に近づけると信じています。
日々精進、周りのすべてに感謝して自身の意識を高めお迎えするお客様一人一人に、
「公益社さんでやってよかった」
と言われるよう頑張りたいと思います。
2014年もカウントダウンに入りました。
ご家族の方と、大切なご友人と良い年をお迎えください。
来年もよろしくお願いいたします。